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ひびのこと、あたまのなかのこと


by milory
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ある想い

島本理生の「ナラタージュ」読みました。
なんだろう、このしっとり感。

そしてしっかり生きたい、という気持ちになりました。
結構真剣な恋愛小説の感想としてしっかり生きたい、というのも
変かもしれないけど、やっぱりそう思った。

人はどこまでお互いを分かり合えるんだろう?
人はどこまで寄り添えるんだろう?

楽しく過ごしている毎日の中で、たまに、でもずっと昔から
ふっと心の中に浮かび上がってくる疑問。





あなたは人と浅く広く付き合いますか、深く狭くつきあいますか
そんな質問の答えは以前のわたしにとっては明確だった。
そんなの分かりきったこと。深く狭くがいいに決まってる。

誰かと強く分かり合いたい
常に心の中にある思い。

ずっとそう感じていたし、人もそう感じてるのだと思っていた。
わたしが強く分かり合うことを望むのと同じ強さで
人もまた誰かと分かりあうことを望んでいるのだと思っていた。

いつからだろう、それが変わった。
人と全てを分かり合わないでも、楽しく過ごせるんだと気づいたし
必ずしも人がわたしと同じような思いでないことも分かった。
ストイックに、深い付き合いしかしたくないと思っていた以前に比べて
ずっと解放されたし、楽しく過ごせることがうれしかったりする。

でもそんなわたしの忘れかけてた思いを
こういう小説がきっとまたこじあけてしまうんだな。
痛々しいくらい、人と向き合うことに真剣な人がでてくるような話。
本人にしてみれば真剣すぎて、痛々しいとも思わない。

人を好きになること、人と付き合っていくこと
小説通りに自分がしようとは思わないけれど、
少なくとも大切にしたい自分の想いがあるのだということを
気づかせてくれる。
そんなことを思わせてくれるような出会いがあるから
小説を読むのが好き。
by milory | 2006-02-09 12:29 | thoght